1月5日(木)「NHK MUSIC SPECIAL 坂本龍一プレイング・ザ・ピアノ」が放送されます。
がんで余命宣告を受け、現在闘病中の坂本龍一さんが、NKKのスタジオでピアノ・ソロの演奏を収録しました。
演奏を長く続ける体力がないため、撮影は1日2~3時間、時間をかけて丁寧に行われ、撮影中の舞台裏やインタビューなどの映像も満載だそうです。
坂本龍一さんのがんの進行状況は「ステージ4」で治療を続けていますが、現在の病状はどうなのかが気になります。
そこで、坂本龍一さんの今までの治療や現在の病状、音楽活動について調べました。
坂本龍一 がんで余命半年宣告を受ける
2021年1月、坂本龍一さんは直腸がんの治療を受けていることを発表しました。
がんの進行状態は「ステージ4」、このとき 何も治療をしなければ余命半年と衝撃的な病状を告げられたそうです。
しかし、坂本龍一さんの がん治療はそれ以前から始まっています。
坂本龍一の最初のがん宣告は「中咽頭がん」
2014年7月 坂本龍一さんが62歳のときに中咽頭がんであることを公表して、治療に専念するために 演奏活動の休止を発表しました。
中咽頭がんの治療方法
このときの治療方法については誤報も出ました。
咽頭がんに効果があるとされる放射線治療については、反原発運動の先頭にたってきた立場から拒否する考えを主治医に伝えている。
引用元:SponichiAnnex
この報道のあと、所属事務所の担当者は「坂本さんが反原発を理由に(放射線治療を)拒否するといったことはないです」と報道を否定しています。
このときに具体的な治療方法の公表はありませんでしたが、後に当時拠点を置いていたアメリカ・ニューヨークの病院で治療に専念し、放射線治療によってがんは寛解したことを公表しています。
坂本龍一の2度目のがん宣告は「直腸がん」
中咽頭がんが改善してから5年後、再び がん宣告を受けます。
2020年6月 坂本龍一さんが68歳のときに、病院での検査で直腸がんと診断され、5年前と同じアメリカ・ニューヨークの病院で、放射線治療と並行して抗がん剤治療を受けたそうです。
がんが転移し余命半年宣告される
2020年12月 日本での仕事のために帰国しました。このとき、まだがんは完全に消えてはいませんでしたが、放射線治療が終わり3ヶ月ほど経っていたそうです。
日本で、がんとは別に人間ドックを受けたところ、直腸がんが肝臓に2ヶ所とリンパに転移していることがわかりました。
ニューヨークの病院では、転移は告げられていなかったそうです。
そして、このときに「何も治療をしなければ余命半年」「強い抗がん剤を用いても、5年生存率は50%」と宣告されたことを告白しています。
その後、セカンドオピニオンによって、がんの進行状況は「ステージ4」で、更に がんは両肺にも転移していてることが判明したそうです。
「ステージ4」とは、「がんが発生場所から離れた臓器に転移している」状態で、がんの治療法の中でも特に難しいと言われています。
最初の病院では、転移がわかっていて本人に告げないとは考えにくいので、転移していること自体見落としていた可能性があります。
このことから、セカンドオピニオンの重要性というのを強く感じます。
がんの摘出手術を受ける
2021年1月 がんの摘出手術を受けたことを発表しました。
直腸と肝臓を2か所、リンパに転移したがん細胞を摘出しました。手術時間は20時間にもおよび、腸を30cmも切除する大手術だったようです。
引用元:NEWSポストセブン
当初は、手術時間12時間の予定でしたが、午前中から始まって翌日の午前4時までかかったそうです。
病状が予想を大幅に上回る難しい状態だったことがわかりますね。
坂本龍一 現在の病状と音楽活動
2021年10月、12月の2回に分けて両方の肺に転移したがんの摘出手術を行っています。
他にも手術を行っていて、2年の間に大小6度の手術を受けたそうです。
外科手術で対処できる病巣はすべて取った状態ですが、それでもまだがんは残っていて、今後は手術ではなく投薬治療で対処するしかない状態のようです。
終わりの見えない闘病生活を告げられたときには、さすがにガクッときました。と語っています。
手術後の復帰コンサート
22年3月 がんの摘出手術後、東北ユースオーケストラ のコンサートでステージ復帰を果たしました。
なんと、手術を受けてから、3ヶ月後の復帰です。
6度も手術をしても完治していない状態で、体力的にも精神的にも相当辛いであろうことは想像できます。
それでも、音楽に対する意欲を持ち続けて、実際にステージで演奏するのはすごいことですね。
坂本龍一と「戦場のメリークリスマス」
坂本龍一さんの代表曲といえば、真っ先に『戦場のメリークリスマス』と出てくる人は多いと思います。
40年近くも前の映画の主題曲ですが、それだけ強く印象に残る曲です。
坂本龍一さん本人は、世界中どこへ行っても、『戦メリ』を弾いてと言われることに嫌気がさして、いつしか『戦メリ』を超える曲を作ることが、目標になっていたと言います。
しかし『新潮』の連載「ぼくはあと何回、満月を見るだろう」の中で
「坂本龍一=『戦メリ』」のフレームを打ち破ることを終生の目標にしたくはない。そのゴールに向かって、残された時間を使うのはアホらしい。と綴っていたそうです。
坂本龍一 最後の瞬間まで音楽活動に意欲
坂本龍一さんは「せっかく生きながらえたのだから、敬愛するバッハやドビュッシーのように最後の瞬間まで音楽を作れたらと願っています」とコメントしています。
『戦場のメリークリスマス』のメロディーは、30秒で思いついたそうです。たとえ短い時間でもピアノに向かえば新しいメロディーが生まれる可能性がある。
坂本龍一さんは、自分の体力がある限り、ぎりぎりまで挑戦し続けていく意欲を示しています。
坂本龍一 余命半年宣告、現在の病状まとめ
- 「中咽頭がん」が判明、放射線治療によりがんは寛解。
- 5年後「直腸がん」が判明、放射線治療を受ける。
- 他の臓器にも転移していることが判明、「何も治療をしなければ余命半年」の宣告。
- 20時間にも及ぶ摘出手術を受ける。
- 2年の間に6回の手術を行うも完治には至らず、投薬治療を続けている。
- 東北ユースオーケストラのコンサートでステージ復帰。
- 今後も、治療を続けながら音楽活動に意欲を示している。
がんを宣告され、余命を告げられるのは、どんな気持ちなのか、限られた人生をどう生きるのか、他人事のように感じますが、自分にも起こりうることだと考えさせられました。
坂本龍一さんの病状が少しでも改善して、長く音楽活動を続けられるよう願います。