9月3日(火)日本テレビ系列『ザ!世界仰天ニュース』にスマイリーキクチさんが出演します。
スマイリーキクチさんといえば、ネットで根拠のない悪質な書き込みで事件の犯人に仕立て上げられ、10年以上も誹謗中傷の被害に苦しめられてきました。
番組では、警察による加害者たちの一斉検挙の裏側と意外な加害者たちに迫るようですね。
そこで、スマリーキクチさんの現在と昔のネタや若い頃、事実無根の書き込みをされた「スマイリーキクチ事件」などについてまとめました。
- スマイリーキクチの現在
- スマイリーキクチの昔のネタ
- スマイリーキクチの若い頃は元ヤン
- スマイリーキクチ中傷被害事件とは
スマイリーキクチの現在は?
- 本名:菊池 聡(きくち さとし)
- 芸名:スマイリーキクチ
- 生年月日:1972年1月16日 52歳(2024年8月現在)
- 出身地:東京都足立区
- 事務所:太田プロダクション
- 1993年、芸人コンビ「ナイトシフト」を結成。相方の芸能界引退によりコンビを解散しピン芸人に転向。
- 1999年、ネット上の誹謗中傷によりすべての仕事を失う。
現在スマイリーキクチさんは、ネット加害者を減らす活動に重点を置いて、情報モラルを教える“インターネット・ヒューマンライツ協会”の代表として活動。
自分の経験から、ネット犯罪の恐怖や被害を防ぐ方法について全国で講演活動を行ったり、インターネットに関するマナー講座なども行っています。
2020年のインタビューでは、いまだに悪質な書き込みがあり、生放送出演の告知をしたところ殺害予告がきて出演がキャンセルになったと語っています。
仕事の8割はネットによる被害の相談や講演活動だそうです。
スマイリーキクチさんの著書『突然、僕は殺人犯にされた』は、開成高校や栄光学園といった進学校で授業の教材として利用されているそうです。
ネット被害に悩んでいる人や加害者にもならないために こういう授業が必要になってきているんですね。
テレビドラマに出演
スマイリーキクチさんは、テレビドラマにもちょこっと出演しています。
2018年、連続テレビ小説「半分、青い。」では、主人公を演じた永野芽郁さんの実家の食堂がある“ふくろう商店街”の床屋の店主・友永さん役
2015年、連続テレビ小説「まれ」では、キャバクラの常連客役。
#半分青い【スマイリーキクチ】ふくろう商店街の床屋さんの主人・友永さん。演じるのは、スマイリーキクチさん。#まれ では、一子が勤めるキャバクラの しつこい常連客・木下を演じていました。 pic.twitter.com/qNbGzy027O
— ひぞっこ (@musicapiccolino) April 17, 2018
なんだかどっちもスマイリーキクチさんに似合ってますね。
もっといろんなクセのある役を演じてほしいです。
スマイリーキクチの昔のネタ
スマイリーキクチさんのネタは、笑顔と穏やかな口調で毒を吐くという毒舌漫談です。
それよりも、スマイリーキクチさんのネタといえば すぐに浮かぶのが 一斉を風靡したヨン様ことペ・ヨンジュンさんのモノマネ。
このヨン様、ビミョ~に似てる。
あくまでもビミョ~なんですが、そんなビミョ~さが面白いんですよね。
スマイリーキクチの若い頃は元ヤン
お笑い番組内で他の芸人から「昔悪かったらしい」と元ヤンであることを暴露されました。
当時は所属する太田プロも スマイリーキクチさんのプロフィールに「足立区出身の元不良」と記載して、元ヤンキーということを売りにしていたそうです。
“笑顔で穏やかな口調の元ヤンキー”というギャップがウケて、他の芸人にイジられたときにニコニコしながら「潰しますよ」とギャグを言っていました。
…よくあるギャグだし 元ヤンのお笑い芸人も何人もいるのに、この元ヤンギャグも犯人にされた原因のひとつでもあります。
スマイリーキクチ中傷被害事件
スマイリーキクチさんの誹謗中傷事件とは、1988~1989年にかけて起きた「女子高生コンクリート詰め殺人事件」の犯人の1人だという なんの根拠もない誹謗中傷被害を長年に渡って受け続けたというものです。
女子高生の事件は非常に凶悪であるにも関わらず、当初は犯人グループが未成年ということで実名報道されませんでした。
その後、あまりの残虐性から週刊文春が加害者グループの実名を掲載しています。
犯人に仕立て上げられた理由
スマイリーキクチさんが犯人の1人に仕立て上げられたのは、次の要素からだと言われています。
- 事件が発生した足立区出身
- 犯人グループと同世代
- 10代のとき不良だった
スマイリーキクチさんは これらのことに当てはまったことから疑惑をかけられ、そのまま事実として扱われるようになりました。
何らかの不適切な言動をしたことから…ではなく、出身地や世代、元ヤンというだけで犯人扱いされたのです。
このくらいの条件なら、他にも当てはまる人は大勢いるのに、誰かが言った不確かな言葉を一斉に信じてしまうのはとても怖いことですね。
北芝健の著書とは
これまでは“スマイリーキクチ犯人説”でしたが「事実だと決定」づけられたのは、元警視庁の刑事でテレビコメンテーターなどで活動していた北芝健さんの著書です。
2005年に出版した『治安崩壊』の中で 以下の記述がありました。
少年グループの一人は刑期を終えた後、2004年7月、再び、恐喝事件を起こして逮捕された。
もちろん社会に出てきたのはこの一人だけではない。一足早く出てきた別の男は、お笑い系のコンビを組んで芸能界でデビューしたという。
スマイリーキクチさんだと特定する記述はありませんが、元々 犯人説がでているところへ「お笑いコンビ」と出されたことで、スマイリーキクチさんが事件に関わった根拠とされて誹謗中傷が激化しました。
警察が取り合わない
命の危機を感じるほどの悪質な書き込みから、警察の生活安全課に相談しても「様子を見ればネット誹謗中傷は落ち着く」「芸能人の有名税みたいなもの」「殺されたら捜査しますよ」などと取り合ってもらえなかったそうです。
警察ってそんなもんなんですね…
その警察官にもよるでしょうが、そんなことを言われたら何も相談できなくなりますよね。なんだか悲しくなります。
刑事課で潔白を証明
警察に対して不信感を持ったスマイリーキクチさんですが、刑事課に相談したところ、担当の刑事がネット犯罪に精通していて親身に対応してくれたといいます。
担当の刑事は スマイリーさんが殺人事件に一切関係ないこと証明するため、事件のことを調べて 次のことを明らかにしました。
- 犯人グループやその仲間に「きくち」という名前がないこと。
- 出所した犯人に芸能界入りした者がいなかったこと。
…となると北芝健さんの「お笑い系のコンビを組んで芸能界でデビューした元犯人」とは何だったんだってなりますよね。
北芝健さんは どんな取材や根拠に基づいての記述なのかを一切明らかにしていません。
どうやら北芝さんも、ネットの情報からスマイリーさんが犯人だと思い込んでいたのではないかと言われています。(…元刑事なのに?)
警察の一斉検挙へ
警察は 悪質な書き込みをした人物を特定して注意したにも関わらず、数時間後には同じ人物が再度書き込みを行ったことから、再発の高さを問題視して「悪質性の高い書き込みを厳選して、該当する者は一斉摘発する」という方針へ切り替えました。
スマイリーキクチさんは、北芝健さんの事務所と出版社に「事件に関与したとの風評被害を受けた」ことから出版差し止めを求めますが「記載された文章から一般読者がキクチ氏を事件の犯人と認識することはない」として拒否されます。
確かにスマイリーさんだと特定することは書かれていません。これはスマイリーキクチさん側が、誹謗中傷した人物が「本の内容に騙された」と責任転嫁できないようにするための方策だったそうです。
そして検挙された人物たちに、警察は「キクチ氏と殺人事件は無関係」と知らせた上で「一般読者がキクチ氏を事件の犯人と認識することはない」とする回答も見せたといいます。
前に進むことを決断
最終的には「犯人だという誤解」は晴れたといえますが、それでも悪質な書き込みは無くなってはいません。
スマイリーキクチさんのネット犯罪を防ぐ活動は“売名行為”だとする新たな書き込みもあるといいます。
それでも、同様の被害に苦しむ人たちから相談を受けることが多くなり「自分の無実を信じる人が増えた以上は一区切りをつけて前進しよう」と考えられるようになったといいます。
まとめ:スマイリーキクチの現在と昔のネタ!誹謗中傷事件とは
スマイリーキクチさんへの誹謗中傷事件は 以前も同番組で取り上げられていました。
それでもネットでの悪質な書き込み行為はなくなることはないし、なにより加害者であることの自覚がない人がほとんどでしょう。
当時は衝撃的な事件でも年数が経てば忘れ去られたり、記憶が曖昧になってしまうもの。
定期的に放送して、ネット加害への注意喚起は必要かもしれないですね。
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