WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)で日系アメリカ人のヌートバー選手が大活躍をみせてくれています。
ヌートバー選手は生まれも育ちもアメリカで、アメリカ国籍の選手です。
オリンピックであれば日本の代表の資格はありませんが、WBCでは代表資格が得られます。
そして、ヌートバー選手の他にも日本代表候補になっていた 日系アメリカ人選手には代表資格がありませんでした。
そこで、国の代表となりWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)に出場するための資格について調べました。
WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)の代表資格とは?
WBCにおいて 国の代表になり試合に出場する資格とは
- 当該国の国籍を持っている
- 当該国の永住資格を持っている
- 当該国で出生している
- 親のどちらかが当該国の国籍を持っている
- 親のどちらかが当該国で出生している
- 当該国の国籍またはパスポートの取得資格がある
- 過去のWBCで当該国の最終ロースター(出場枠)に登録されたことがある
出典:ウィキペディア
1、2、3、はわかりやすいですが、オリンピックのように明確な決まりはないようです。
オリンピックでは、他の国の選手が帰化して日本の出場資格を得た場合、今まで在籍していた国での出場資格を失います。
しかし、WBCでは 他の国の国籍を取得しても、生まれた国での出場資格もあり、どちらの国でも出場可能です。
さらに、両親がそれぞれ別の国で生まれていたら、選手の国籍はそのままで、3ヶ国の出場資格があることになります。
ヌートバー選手の場合は
ヌートバー選手の生まれと育ち 国籍はアメリカで、父親はオランダ系アメリカ人、母親は日本人です。
出典:YAHOO!ニュース
母親の久美子さんの出身地は日本の埼玉県、国籍は日本です。
代表資格でいうと、4、5、が該当していますね。
ヌートバー選手のWBCでの活躍は、アメリカMLBでも大きく取り上げられて話題になっています。
Noot loves Japan and Japan loves Noot. ?? #WorldBaseballClassic pic.twitter.com/buOmw325Uj
— MLB (@MLB) March 10, 2023
日本代表選手として取り上げられているのは、日本人としても誇らしいですね。
ヌートバー選手の心は日本人
ヌートバー選手の心は完全に日本人選手と言ってもいいでしょう。
ヌートバー選手が10歳の頃、リトルリーグのオールスターチームに選ばれました。
そのときの 選手の自己紹介ムービーで、ヌートバー少年の挨拶は「こんにちは」の日本の挨拶から始まりました。
‘My name is Lars Nootbaar, No.21. And I’m a Japanese’.
僕の名前はラーズ・ヌートバーです。背番号は21。日本人です。‘I’m representing my country for Japan’.
僕は日本を代表してここにいます。出典:NumberWeb
10歳の頃から、自分は日本代表だと宣言
しかもそのときのヌートバー少年の帽子!
出典:NumberWeb
日本の高校球児が帽子のツバを曲げているのをマネして、そのツバを指さしています。
少年時代に高校野球の日本代表メンバーと交流したことが話題となっているヌートバー選手。
本名も、ラーズ・テイラー=タツジ・ヌートバー、母方の祖父の名前“達治”がミドルネームです。
少年の頃から 心は日本代表のヌートバー選手が、本当の日本代表となって活躍してくれるのは、侍ジャパンファンとしてはとても嬉しいですね。
代表資格が取れなくて日本代表になれなかった選手
ヌートバー選手の他にも、WBCの日本代表候補になった外国人選手がいました。
しかし 残念なことに、代表出場資格がありませんでした。
日本代表候補に挙がった選手は、どのような選手で、なぜ代表資格が取れなかったのでしょうか。
日本代表の候補に挙がった選手
代表候補となったのは、メジャーリーグ ガーディアンズのスティーブン・クワン外野手です。
昨年の開幕戦でデビューした 走攻守に優れた選手で、新人王投票で3位、レフトの守備でゴールドグラブ賞に輝きました。
実力を認められ、活躍が期待できる選手です。
出典:Full-Count
クワン選手は、父親が中国系アメリカ人、母親が日系アメリカ人です。
昨年の9月、エンゼルスとの試合前に大谷翔平選手から「日本代表としてプレーしないの?」と日本代表への誘いを受けて快諾したといいます。
しかし、11月に出場資格の問題が出て、大谷翔平選手の通訳を務める水原一平さんから助力を受けたものの進展しなかったそうです。
代表資格が取得できなかった理由
クワン選手の母方の祖父母は戦後、山形県からカリフォルニアに移住して、その後クワン選手の母親が生まれました。
クワン選手の母親はアメリカ生まれの アメリカ国籍です。
山形には今も大勢の親戚がいるというクワン選手ですが、ヌートバー選手が該当した 4、5 にはあてはまりません。
クワン選手は取材で、「想像だけど 自分、もしくは親が日本のパスポートを持っているかどうかが基準になっていると思う」と語っています。
例外が認められる場合もあるようで、クワン選手は解決策が見つかることを望んだようですが、やはり代表資格が認められず「すごく落ち込んでいる」と話していたそうです。
ヌートバー選手がWBCで大活躍を見せて、日本のファンの心をガッチリと掴み、アメリカでも大きく取り上げられているのを見ると、なおさら出場したかったことでしょう。
WBC代表資格のまとめ
国の代表となりWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)の試合に出場するための資格について調べました。
- ヌートバー選手は母親が日本生まれの日本国籍で 日本代表資格を取得。
- ヌートバー選手は少年のころから「日本代表」と自己紹介していた。
- メジャーリーガーのクワン選手も候補に上がったが、日本代表の資格を取得できなかった。
- 代表資格が取れなかったのは 母親は日系だけど、生まれも国籍もアメリカだったため。
代表試合に出場するための資格は、オリンピックの代表資格のように明確ではなく、ずっと取得しやすいですね。
それだけに、2ヶ国の代表資格を持つ選手もいるし、似たような環境であっても代表資格を持てない選手もいます。
ヌートバー選手のように、日本国籍ではなくても、日本を愛してくれる選手が、日本代表として大活躍をしてくれるのは嬉しいですよね。