ラグビーレフリーのジェスチャー、反則への対応、給料、選手とコミュニケーションとは?

ラグビーレフリーのジェスチャー、反則への対応、給料、選手とコミュニケーションとは? ラグビー
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独自のルールが多いラグビーは、レフリーも他のスポーツと違うところが多くあります。

ラグビーでは試合の中でのレフリーのウエイトが多く、レフリーがゲームを作っていると言われています。

反則を取るときレフリーはジェスチャーで示しますが、白黒をはっきり付けずに反則を流してしまうのもラグビーレフリーの特徴です。

チームキャプテンの役割として、レフリーとコミュニケーションを取るのも重要な役割です。他のスポーツでレフリーとのコミュニケーションが必要とは聞いたことがありませんよね。

さらに運動量の多いラグビーでは、レフリーもフィットネスが強くないと務まらないため、トレーニングも欠かせません。

大役であるラグビーレフリーですが、ラグビーはアマチュア精神が強いため、ほぼボランティア状態で、多くのラグビーレフリーが他の仕事をしながらレフリーを努めているそうです。

そんなラグビーレフリーのジェスチャー、選手とのコミュニケーション、反則への対応、給料、フィットネスなど、ラグビーレフリーに注目しました。

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ラグビーレフリーのジェスチャー

試合で反則が起こった場合、レフリーはジェスチャーで表します。

まず一番気になるのは、どちら側の反則で、どちらのボールになるのかですよね。

笛が鳴ってレフリーが手を上げている方が反則を受けた側で、ボールが与えられる方を示しています。

ペナルティキックの場合は斜めに上に手を上げて、フリーキックの場合は肘を垂直に曲げて上げます。

まずは、レフリーの手の方向を確認するのが大事ですね。

ラグビーの主な反則とジェスチャー

反則は軽度なものから重いものまであります。試合の中でよく起こりやすい反則とレフリーのジェスチャーを紹介します。

スクラムから再開される反則

短く笛を吹いて、ボールが与えられる側に水平に手を上げる(水平に手を上げるのは決まりではないが、ボールが与えられる方を手で示すことが多い)

ノックオン:ボールを前に落とす。
頭上で手を左右に振ってボールがこぼれたことを示す。

スローフォワード:ボールを前に投げる。
ボールを前に投げる動作。

ノットストレート:ライアウトでボールを真っ直ぐに投げ入れない。
頭上で手を斜めに動かして真っ直ぐではないことを示す。

ペナルティキックから再開される反則

長い笛を吹いて ボールが与えられる側に斜め上に手を上げる

ノットリリースザボール:タックルされた人がボールを放さない。
胸の位置でボールを抱える動作。

ノットロールアウェイ:タックルした選手がその場からすぐに離れずに邪魔をする。
体の前で腕を回して素早くその場からどくように示す。

オフサイド:決められた位置よりも前でプレーをした。
腕を下側で振る。

ハイタックル:肩よりも高い位置でタックルをする。
片方の手を首の前に当てる。
現在、ハイタックルは重い反則となり、イエローカード、またはレッドカードが出されるようになりました。

他にもいろいろな反則はありますが、よく起こる反則として7つを上げました。テレビで観戦する場合は解説が入るのでわかりやすいですね。

反則の種類も大事ですが、まずはどっちの反則なのか、どっちのボールになるのかが一番気になるところなので、まずレフリーが手を上げる方向を確認するのが一番ですね。

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ラグビーレフリーの特徴

多くのスポーツのレフリーは反則があると、そこで試合を止めてリスタートします。

ラクビーレフリーも同じではありますが、反則をとらずに流してしまう場面も多くあります。

試合を円滑に進めるよう、白黒をはっきりとつけずにコントロールするのがラグビーレフリーの特徴でもあります。

ラグビーレフリーの反則への対応

ラグビーはコンタクトスポーツなので両選手のぶつかり合いでのアクシデントやミスが多くあります。その都度試合を止めていたらプレーの継続性が途切れてしまいます。

そこで、反則を受けた側のチームが有利に試合を進めている場合は、その流れを断ち切らないよう反則を取らずにプレーを続行させます。

一旦試合を止めたときでも「つぎやると反則とるから気をつけるように」と注意する場面もあります。次の反則が起きないよう予防をするわけです。

明確に白黒をつけないのは、レフリーによっても違う判断となるので、なんとも曖昧ではあります。

試合を円滑に進めるために、簡単に笛を吹くのではなく、どうしたら流れを切らずにプレーを続けるか、いつ笛を吹くべきかはレフリーにかかっているのです。

ラグビーレフリーと選手とのコミュニケーション

キャプテンがレフリーとのコミュニケーションを取るのも重要な役割だといいます。

レフリーが注意をするときは、注意する選手とキャプテンを呼んで注意事項を伝え、キャプテンがレフリーの意向をチームメンバーに伝えます。

反則ではなくても、キャプテンに「選手たちが興奮しすぎ」などの注意をあたえて、落ち着くように促すこともあります。

国際試合になるとレフリーは外国人なので、英語でコミュニケーションが取れることがベストです。

坂手淳史選手が日本代表選手のキャプテンを努めたとき、レフリーとのコミュニケーションについて次のように語っています。

レフリーとのコミュニケーションは、テストマッチですごく大事になる。(レフリーには英語のわかる)リーチさんと一緒に話しているんですけど、ここも改善していく。どういった声掛けをしていくか、どういうタイミングで話していくかというところは、2人で話しています。

引用元:RUGBY REPUBLIC

ラグビーレフリーの有名人、名レフリーのナイジェル・オーウェンズさんは、ときにジョークを交えながら、うまく試合をコントロールします。

試合中にレフリーと選手がこんなに会話をしたり、レフリーがジョークを言って選手をなごませたりするスポーツは他には見ないですね。

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ラグビーレフリーのフィットネス

運動量の多いラグビーでは、レフリーのケガも多く、タックルで飛ばされた選手とぶつかったり、肉離れを起こすこともあります。

そんなラグビーのレフリーはフィットネスが強くないと務まらないので、トレーニングもしっかりとする必要があります。

元日本代表選手の大畑大介さんは、快足でトライを量産したスリークォーターバックとして有名です。その大畑大介さんがセブンズの試合で100mトライを決めたとき、ものすごい勢いで追いかけてくる選手がいて「スゲエ!」と思ったらレフリーだったという逸話もあります。

ワールドカップのラグビーレフリー

レフリーも選手同様にきびしいトレーニングを受けた上で、選ばれてワールドカップに出場します。

2019年ラグビーワールドカップで、日本人として史上4人目となる、ワールドカップのマッチオフィシャル(審判団)となった久保修平氏によると、ワールドカップ前の4年間で数度行われたレフリーキャンプに参加し、参加者40名の中から19名が選出されたそうです。

重要とされる要素は「フィジカル」「テクニカル」「タクティカル」「メンタル」で、中でもタフな試合に対応できるようフィジカル面のトレーニングは大切です。

実際のトレーニングは、ハードなランニングメニューをこなして息が上がった状態で映像を見てプレーに判断を下すなど、より試合を意識した実践的な内容になっている。また、BMI(肥満指数)からウエストサイズまでもきっちりと計測されており、「ワールドラグビーから常に管理されている状態」(久保氏)だという。

引用元:Sportsnavi

ピッチ外で選手や監督への対応力をつけるトレーニングもあるそうです。

選手役を入れたロールプレイングを行うこともあります。試合前に選手の控え室を訪れて、試合に関する説明をする機会があるのですが、実際にそういった状況を作り出すことで、本番となる試合での対応を確認したりします。ちなみに選手の役をしてくれるのは、レフリーとして第一線で活躍していた先輩たちで、しっかりと演技をしてくれます(笑)

引用元:Sportsnavi

さらには試合後、同じホテルにいる監督や選手に、朝食の会場で出会ったとき、試合での判定に意義を唱えられることもあるようで、その場合のコミュニケーション方法などの対応も練習するそうです。

レフリーも選手以上にタフでメンタルが強くないと務まらない厳しい役目ですね。

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ラグビーレフリーの給料事情

ハードでケガも多いラグビーレフリーですが、給料がないに等しいボランティア状態だといいます。

明確にいくらという決まりはなく、多くの場合「1試合当たりの日当+交通費」となっているそうです。

「1試合当たりの日当」はトップクラスのレフリーでも「5,000円」だそうで、他のスポーツに比べて激安です。お給料というよりお駄賃ですね。

ラグビーは現在もアマチュア精神が強いので、お金ではなく好きなラグビーのためやっていると言えます。

当然、他の仕事をしながらレフリーをしていて、学校の先生が多いようです。

元トヨタヴェルブリッツでSH(スクラムハーフ)を努めた滑川剛人選手は、現役選手として活躍しながら、日本協会A級公認レフリーになりました。

選手としてのトレーニングとレフリーとしてのトレーニングを両方行い、フィットネスも相当高かったと言います。

日本初のプロのラグビーレフリー

元ラグビー選手でSH(スクラムハーフ)として活躍した平林泰三さんは、日本(アジア)初のプロ契約レフリーとなり世界で活躍しました。

大学生時代の19歳でC級、21歳でB級、クイーンズランド州公認審判員資格を取得。

大学卒業後は、オーストラリアのクイーンズランドに渡豪し、選手として7人制クイーンズランド州選抜チームのメンバーとして、ワラビーズ代表選手と共に国内、国際大会で優勝するなど活躍。

現役引退後、帰国して 2005年に当時最年少の28歳で日本協会公認A1級審判員となり、株式会社フォーシーズと所属契約をして、日本初のフルタイムレフリーとなります。

翌年A級に昇格し、世界中の試合でレフリーを努めて、アジア人として初めて世界のトップ15人レフリーパネルに入りを果たします。

2007年、レフリーとして初めて日本ラグビーフットボール協会と契約をして、レフリーをやりながら日本代表チームのバックルームスタッフとして活動して、レフリールールの対策やゲーム分析なども務めました。

そんな活躍が評価され、2007年アメリカの「Newsweek」誌で「世界が尊敬する日本人100人」に選出されました。

ラグビーのレフリーとは!まとめ

ラグビーレフリーのジェスチャー、反則への対応、選手とコミュニケーション、給料、フィットネスなどについてまとめました。

ラグビーレフリーは選手とコミュニケーションを取る場面が多く、他のスポーツのレフリーとの違いも多いですね。

体力的に相当ハードであるにもかかわらず、給料は無いに等しく、好きなラグビーに関わりたくてやっている状態。

プロのレフリーも増えているようではありますが、日本では選手もプロではなく、会社から給料をもらってプレーをしている会社員選手が多い状態なので、レフリーのプロ化もなかなか進まないのでしょう。

あまりスポットを浴びることのないレフリーですが、試合の中でのレフリーの動きや選手とのコミュニケーションなどに注目してみたいですね。

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