2023年9月、第10回ラグビーワールドカップが開催されます。
ラグビーワールドカップの歴史として、過去 1987年 第1回目から第9回大会までの結果と、日本代表成績を振り返ります。
ラグビーワールドカップの開催は、1987年に第1回大会が行われました。
サッカーのワールドカップは1930年から、野球のワールドカップは1950年からなので、ラグビーは57年も遅れての開催です。
1983年にオーストラリアとニュージーランドがワールドカップ開催を提案しますが、国際ラグビーフットボール評議会から却下されます。
ラグビーはアマチュア精神を重んじるスポーツとして、プロ化には抵抗があったそうです。
オーストラリアとニュージーランドは他の国を説得し、国際ラグビーフットボール評議会のメンバー8ヶ国(オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカ、フランス、イングランド、ウェールズ、スコットランド、アイルランド)で投票の結果、スコットランドとアイルランドが反対しましたが、他の国は説得に応じて開催が決定しました。
1987年 第1回 ラグビーワールドカップ
5月22日~6月20日
■開催国:ニュージーランド・オーストラリア共同開催
■出場国数:16ヶ国
■優勝国:ニュージーランド
・準優勝:フランス
・3位:ウェールズ
・4位:オーストラリア
■日本代表監督:宮地克実
■日本代表キャプテン:林敏之(神戸製鋼)
■日本代表の成績:予選プール 3戦3敗
・●18ー21 対 アメリカ
・●7ー60 対 イングランド
・●23ー42 対 オーストラリア
ニュージーランドとオーストラリアの共同開催で行われた第1回ラグビーワールドカップは、まだプロ化が認められていない中、各地での予選もなく、16ヶ国招待で行われました。このとき南アフリカは、アパルトヘイト問題で参加は認められていません。
ニュージーランドは、後に日本代表のヘッドコーチになるジョン・カーワン選手がトライ王となる活躍を見せて、圧倒的な強さでワールドカップ初の優勝国となります。
1991年 第2回 ラグビーワールドカップ
1991年 10月3日~11月2日
■開催国:5ヶ国共同開催、主開催国:イングランド、共同開催国:スコットランド、ウェールズ、アイルランド、フランス
■出場国数:16ヶ国 (予選出場33ヶ国)
■優勝国:オーストラリア
・準優勝:イングランド
・3位:ニュージーランド
・4位:スコットランド
■日本代表監督:宿澤宏朗
■日本代表キャプテン:平尾誠二(神戸製鋼)
■日本の成績:予選プール1勝2敗
・●9ー47 対 スコットランド
・●16ー32 対 アイルランド
・○52ー8 対 ジンバブエ
この大会から各大陸予選が行われるようになりました。第1回大会のベスト8が予選を免除され、残りの8枠を各予選で決定します。
日本はアジア・オセアニア予選(参加国:西サモア、日本、トンガ、韓国)で 出場2枠を争い、1位西サモア、2位日本で大会進出しました。
この大会で日本代表は、ジンバブエを相手にワールドカップ初勝利を上げます。
1995年 第3回 ラグビーワールドカップ
1995年 5月25日~6月24日
■開催国:南アフリカ
■出場国数:16ヶ国 (予選出場33ヶ国)
■優勝国:南アフリカ
・準優勝:ニュージーランド
・3位:フランス
・4位:イングランド
■日本代表監督:小藪修
■日本代表キャプテン:薫田真広(東芝府中)
■日本の成績:予選プール1勝2敗
・●10ー57 対 ウェールズ
・●28ー50 対 アイルランド
・●17ー145 対 ニュージーランド
これまで参加が認められなかった南アフリカのアパルトヘイトが完全撤廃されたことで、初出場・初の単一国開催地となりました。
南アフリカが優勝したこの大会は、クリント・イーストウッド監督の映画「インビクタス/負けざる者たち」のモデルとなっています。
日本代表はニュージーランドと対戦し、21トライを奪われ145失点という、W杯最多失点の記録を残しました。
1999年 第4回 ラグビーワールドカップ
1999年 10月1日~11月6日
■開催国:ウェールズ
■出場国数:20ヶ国 (予選出場65ヶ国)
■優勝国:オーストラリア
・準優勝:フランス
・3位:南アフリカ共和国
・4位:ニュージーランド
■監督:平尾誠二
■日本代表キャプテン:アンドリュー・マコーミック(東芝府中)
■日本の成績:予選プール3戦3敗
・●9ー43 対 サモア
・●15ー64 対 ウェールズ
・●12ー33 対 アルゼンチン
出場チームは16チームから20チームに増えて 大会の規模もスケールアップし、観客動員数、TV放映国も大幅に増えました。
この大会での予選免除は、開催国のウェールズと前回大会の上位3チームの合計4チームだけで、前回4位のイングランドや、オーストラリア、アイルランドなどの強豪国も大陸予選に参加しています。
前回ニュージランド代表として活躍したジェイミー・ジョセフ選手(現日本代表ヘッドコーチ)は、この大会で日本代表選手として出場しました。
2003年 第5回 ラグビーワールドカップ
2003年 10月10~11月22日
■開催国:オーストラリア
■出場国数:20か国 (予選出場80か国)
■優勝国:イングランド
・準優勝:オーストラリア
・3位:ニュージーランド
・4位:フランス
■監督:向井昭吾
■日本代表キャプテン:箕内拓郎(NEC)
■日本の成績:予選プール4戦4敗
・●11ー32 対 スコットランド
・●29ー51 対 フランス
・●13ー41 対 フィジー
・●26ー39 対 アメリカ
開催国オーストラリアの指揮官は、後に日本代表を率いる エディー・ジョーンズ ヘッドコーチです。決勝を争ったイングランドとは延長線にもつれ込む接戦となり、イングランドが優勝します。
現在(2023年6月)も北半球の優勝国は この大会でのイングランドだけです。
日本代表は初戦でスコットランドに敗れましたが、一時は4点差まで詰め寄り、地元メディアから「ブレイブ・ブロッサムズ(勇敢な桜の戦士たち)」と呼ばれ称賛されました。
ブレイブ・ブロッサムズ|ラグビー日本代表「勇敢な桜の戦士たち」の由来
2007年 第6回 ラグビーワールドカップ
2007年 9月7日~10月20日
■開催国:フランス
■出場国数:20ヶ国 (予選出場91ヶ国)
■優勝国:南アフリカ
・準優勝:イングランド
・3位:アルゼンチン
・4位:フランス
■監督:ジョン・カーワン
■日本代表キャプテン:箕内拓郎(NEC)
■日本の成績:予選プール1分け3敗
・●3ー91 対 オーストラリア
・●31ー35 対 フィジー
・●18ー72 対 ウェールズ
・△12ー12 対 カナダ
日本代表の指揮官は、元ニュージーランド代表で第1回大会の最多トライ選手 ジョン・カーワン ヘッドコーチ、キャプテンは前回に引き続き箕内拓郎選手です。
カナダ戦で、後半ロスタイムに 平浩二選手のトライと大西将太郎選手のコンバージョンゴールで引き分けに追いつき、第3回大会から続く連敗を13で止めました。
2011年 第7回 ラグビーワールドカップ
2011年 9月9日~10月23日
■開催国:ニュージーランド
■出場国数:20ヶ国 (予選出場91ヶ国)
■優勝国:ニュージーランド
・準優勝:フランス
・3位:オーストラリア
・4位:ウェールズ
■ヘッドコーチ:ジョン・カーワン
■日本代表キャプテン:菊谷崇( トヨタ自動車)
■日本の成績:予選プール1分け3敗
・●21ー47 対 フランス
・●7ー84 対 ニュージーランド
・●18ー31 対 トンガ
・△23ー23 対 カナダ
前回大会に引き続きジョン・カーワン ヘッドコーチが日本代表の指揮官を務めました。
フランスには一時4点差まで迫るも引き離されて、ニュージーランドにも大敗。最終のカナダ戦は、途中までリードしていたところを前回とは逆の展開で同点に追いつかれて引き分け。
またしてもワールドカップでの2勝目を逃してしまいます。
2015年 第8回 ラグビーワールドカップ
2015年 9月18日~10月31日
■開催国:イングランド
■出場国数:20ヶ国(予選出場は96ヶ国)
■優勝国:ニュージーランド
・準優勝:オーストラリア
・3位:南アフリカ共和国
・4位:アルゼンチン
■ヘッドコーチ:エディー・ジョーンズ
■日本代表キャプテン:リーチマイケル
■日本の成績:予選プール3勝1敗
・○34ー32 対 南アフリカ
・●10ー45 対 スコットランド
・○18ー72 対 サモア
・○12ー12 対 アメリカ
エディー・ジョーンズ ヘッドコーチ、リーチマイケルキャプテン体制で、優勝候補の南アフリカを破り「ブライトンの奇跡」を起こします。
ブライトンの奇跡とは?映画化もされた「世紀の番狂わせ」はなぜ起きたのか!
続くスコットランド戦で敗れますが、サモアとアメリカに勝利し3勝を上げるという大躍進を遂げ世界中から称賛されます。
2019年 第9回 ラグビーワールドカップ
2019年 9月20日~11月2日
■開催国:日本
■出場国数:20ヶ国 (予選出場は93ヶ国)
■優勝国:南アフリカ
・準優勝:イングランド
・3位:ニュージーランド
・4位:ウェールズ
■ヘッドコーチ:ジェイミー・ジョセフ
■日本代表キャプテン:リーチマイケル
■日本の成績:予選プール4戦4勝、ベスト8進出:準々決勝敗退
・○30ー10 対 ロシア
・○19ー12 対 アイルランド
・○38ー19 対 サモア
・○28ー21 対 スコットランド
・●3ー26 対 南アフリカ
日本代表の指揮官は、 第3回大会で母国ニュージーランド代表として出場し、1999年 第4回大会では日本代表チームで選手として出場した ジェイミー・ジョセフ ヘッドコーチ、キャプテンは前回に引き続きリーチマイケル選手です。
優勝候補のアイルランド、スコットランドを破り、初のベスト8進出を果たし、開催国でもある日本中が盛り上がりました。
準々決勝で南アフリカに完敗しますが、日本のラグビーは「体格とフィジカルの強さ」がものをいうこれまでのラグビーの概念を覆し、海外メディアから称賛されました。
今年9月に行われるフランスで行われるラグビーワールドカップでは、さらなる躍進が期待されます。
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