お笑い芸人のやす子さんは『今年(2023年)上半期のブレイク芸人』1位となりました。
昨年の番組出演数は67本でしたが、今年は上半期だけで172本と大幅に増えたということで、ブレイク芸人と言われるのは納得です。
ぽっちゃりとした天然の明るいキャラクターが、ゆるキャラのようで可愛くて好感がもてますよね。
やす子さんは元自衛隊員ということで、テレビではいつも迷彩服を着ています。
ゆるキャラのようなやす子さんに、迷彩服とか武器や装備ってなんだか似合わない気がします。
やす子さんはいったいなぜ自衛隊に入ったのでしょうか?
それは やす子さんが経験してきた壮絶な家庭環境が影響しているようです。
やす子さんが自衛隊に入った理由と辞めた理由、やす子さんの壮絶な生い立ちから芸人になるまでを調べました。
やす子が自衛隊に入った理由
やす子さんが自衛隊に入ったのは 高校卒業してすぐです。
当時のやす子さんの状況は、親を頼ることができず、まだ未成年なので部屋を借りることもできず、お金の蓄えもない状態。
衣食住が約束されている環境が自衛隊だった、という理由で入隊したそうです。
まだ未成年なのに衣食住もままならない生活だったやす子さん
やす子さんのはどのような生活環境だったのでしょうか。
母子家庭で極貧生活
やす子さんの両親は、やす子さんが2歳の頃に離婚して、母親に引き取られて2人暮らしでした。
家庭環境についてテレビのトーク番組に出演した際に語っています。
「テレビも無く、洗濯機も無くて友達の家の水道で服を洗わせてもらったりだとか、ご飯も食べれなくて給食でいかに食べて食欲を満たすことができるかっていうような環境だった」と当時の厳しかった生活環境を告白した。
引用元:modelpress
母子家庭で貧乏なのはとくに珍しくはないし、お笑い芸人の中には過去の貧乏生活がお笑いのネタになっている人もいます。
しかし 貧乏で水道も使えずに ご飯も食べられないほどの生活だとは、あまりに辛すぎてお笑いのネタにもできない家庭環境。
大人になった今も変わらないですね。
子供の時も大人の時も楽しいなあ?? pic.twitter.com/Ea00iHIa0B
— やす子 (@yasuko_sma) May 5, 2023
人生が急激に悪化した交通事故
やす子さんは14歳か15歳のときに、死んでもおかしくないくらいの交通事故に遭って、そこから家庭環境が悪化したといいます。
「親元を離れて生活していました。学費も払えなくて散々な状況で『人生をやめちゃおうかな』って思ったときがあった」と明かしました。
引用元:フジテレビュー
テレビ番組の中で、自ら命を絶とうとまで思い詰めていたことを告白しています。
どのような事故だったのかはわかりませんが、命に関わるほどの事故なので治療費などの金銭的な負担がきっかけになった可能性も考えられます。
自ら養護施設に入所
やす子さんは、母親について詳しくは語っていませんが、中学生の頃から母親に内緒で、自ら児童養護施設に保護されに行っていました。
児童養護施設に行った理由は「言えない」と答えていますが、「施設では三食のご飯が出て、寝る場所もあって、ようやく自分の居場所ができた」と感じたといいます。
食事や寝る環境さえもままらならい状況だったのでしょうか、命の危機さえ感じる家庭環境であったことが伺えます。
現在の明るくて元気なやす子さんからは想像もつかないほどの過酷な生活だったのでしょう。
このことから、やす子さんの母親のネグレクト(子供の遺棄や虐待など)ではないかとの噂もでています。
16歳~18歳の頃はずっと施設で過ごし、母親とは16歳~22歳までの6年間、全く会うことがなかったといいます。
高校時代のいじめ
やす子さんは児童養護施設から高校へ通っていました。
制服はお下がりで、水泳部での水着は3年間同じものを着用、修学旅行の費用もなくて 学校の先生が出してくれたそうです。
さらには、陰湿ないじめまでも やす子さんに降り掛かってきたのです。
いじめのきっかけとなったのは、ネチネチと愚痴ばかりいう友人に対して「〇〇ちゃんって、ほんと女子だよね」と言った言葉でした。
その一言でクラス中の女子だけではなく男子までもが やす子さんを仲間外れにしたのです。
やす子さんは、高校生活の3年間はトイレでご飯を食べて、休み時間などは図書館で過ごしていたといいます。
自分の意見に同意することが友達だと思っている人は、同意してくれない人を避けることはあっても、そこからクラス全員がいじめに発展するとは ほんとうに怖いことです。
生活環境だけではなく学校生活でも辛い日々を送っていたやす子さん。
現在も人間関係が苦手だそうですが、これだけの壮絶な経験をすると現在も引きずってしまうのは当然のことだと思います。
衣食住のために自衛隊に入る
やす子さんは、高校卒業後すぐに自衛隊に入隊しました。
「住み込みで働けるところを探していたら、山口県はパチンコ店か自衛隊しかなかった」といいます。
最初はパチンコ店の面接を受けましたが、面接の部屋に入る際、開けたドアが跳ね返ってドアに当たってしまい、恥ずかしくてそのまま逃げ出してしまったそうです。
どうしようかと悩んでいたところ、高校の柔道部の顧問から自衛隊を勧められました。
「はい~と。助けてくれという思い。視野が狭すぎてそこしかないと思ってしまった。誰も助けてくれない。そこに行かないと生きていけない、そこしか自分の居場所がないと」と、そのまま入隊したという。
引用元:デイリー
親は頼れない、お金もない、未成年で部屋を借りられない、どこにも行くところがない、そんな状況で衣食住が約束されているという理由で自衛隊に入隊するのも納得できます。
自衛隊の訓練は「キツかったです、めちゃくちゃ」といいます。
しかし自衛隊に入る前は「落ち込みやすいですし、ふにゃふにゃしてる人間だった」というやす子さんが、「自衛隊に入ってから目標に向かって頑張ろうという根性がついた気がします」と自分自身が変化したことを語っています。
やす子が自衛隊を辞めた理由
やす子さんは、2年で現役自衛官を辞めて、現在は 災害時に参加する即応予備自衛官として訓練を受けているそうです。
自衛官は任期制で、2年ごとにそのまま続けるかどうかを決められるそうです。
やす子さんが2年で辞めた理由はなんだったのでしょうか。
突然自衛隊を辞めようと思った
自衛隊は4年間勤続すると退職金が出るので、やす子さんは 22歳までは絶対辞めないつもりでいたそうです。
しかし やす子さんは、入隊して1年半くらい経った頃「ある日上官が自分の前を歩いていて。そのとき急に“自衛隊、辞めよう!”という天の声みたいなのが降りてきた」といいます。
その直前までは まったく辞める気はなかったのに、そのまま前を歩いている上官に追いついて『辞めます!』って伝えたそうです。
辞めてどうするのか、後のことも住むところも仕事も何も考えていなかったのに、その日のうちに任期が来たら辞めることに決まったそうです。
「すごい唐突で、本当に自分でも理由がわからなくて……あの感じは“降りてきた”と言うしかない」と、今でも当時を振り返ると戸惑った表情になるやす子。
引用元:Cocotame
なんだか不思議な理由ですね。
しかし、やす子さんが辞めてしばらくしてから、やす子さんがいた部隊がなくなって 一緒にやっていた仲間たちが違う土地に配属されてばらばらになってしまって、上官から「お前は運が良いな」と言われたそうです。
後のことが何も決まっていない状況で不安になりそうですが、天の声には素直に従うことが正解のようですね。
やす子がお笑い芸人になった理由
やす子さんは自衛隊を辞めた後、就職アプリで仕事を探して 東京の清掃会社に就職します。
東京でひとり暮らしを始めて、官公庁のトイレの掃除などをひとりで黙々とやっていたそうです。
お笑いには特に興味もなく、知っているお笑い芸人はダウンタウンと爆笑問題くらいだったといいます。
テレビのない生活を送っていたのだから知らないのは当然ですよね。
そんなやす子さんがなぜお笑い芸人を目指すことになったのでしょうか。
誘われてお笑い芸人を目指す
高校時代にSNSで知り合った友達から「東京NSC(吉本興業の養成所)に入ってお笑い芸人になろうと思うけど、勇気がないから一緒にやって欲しい」と言われたことが、お笑いを始めるきっかけでした。
お笑いのことはほとんど知らないのに 一緒にやろうと思ったのは「友達を見捨てられなかった、少しでも助けてあげたかった」という理由からだそうです。
その友達は 心の弱い子で「ここで私が断ったら病んでしまうのでは」と思ったそうです。
やす子さんは、自分のことよりも友達のためだけにお笑いをやることにしたのです。
きっと自分が辛い思いをしたからこそ、人を見捨てたり放っておくことができないのでしょう。
相方に逃げられピン芸人に
友達がいろいろなお笑い事務所にメールをして、一番最初に返事がきたSMA(ソニー・ミュージックアーティスツ)の事務所ライブの面接に行くことになりました。
すると事務所ライブの3日前ぐらいから、友達と連絡が取れなくなり、当日も来なかったのです。
やす子さんは一度した約束を反故にするわけにはいかないと、ひとりで行くことになりました。
そのライブはただの面接ではなく お客さんの前でネタをやることになっていたため、その場で友達とやるはずだったネタをピンネタに変えてライブに出場したのです。
芸名の「やす子」は、本名の「安井かのん」の“やす”を取って 適当に「やす子」と名乗って、半分ヤケクソでネタをやったと言います。
お客さんにはウケたそうですが「清掃会社も正社員でしたし、芸人の真似事はその日限りで辞めよう」と思っていたそうです。
しかし、たった1人の友達とは音信不通になってしまったけど、 SMAの芸人と仲良くなり、SMAを立ち上げた平井氏は「親みたい」で、「SMAは家族のよう」と感じるようになったといいます。
2019年9月に事務所ライブに出演してから、3年半でブレイク芸人になったやす子さん。
「10代の自分には何も良いことはなかったけど、芸人をやっている今は本当に楽しいし、幸せ」といいます。
やす子が自衛隊に入った理由と辞めた理由まとめ
『今年(2023年)上半期のブレイク芸人』1位となったやす子さん。
元自衛隊員ですが あんまり自衛隊が似合わに感じがして、なぜ自衛隊に入ってなぜ自衛隊を辞めたのかを調べました。
- 両親は2歳の頃に離婚して母親に引き取られる。
- 貧乏で水道も食事もろくに取れない生活で自ら児童養護施設に保護してもらう。
- 18歳で施設を出て、衣食住が揃っているという理由で自衛隊に入る。
- 1年半で突然「辞めよう」と思い、2年で自衛隊を辞める。
- 友達に誘われてお笑いを始める。
- 友達と音信不通になりピン芸人として事務所のライブに出演。
生きるのが辛いというほどの壮絶な生い立ちで、現在の明るくて元気なやす子さんからはまるで想像がつかなかったです。
辛くても真面目に素直に進んできたからこそ、芸人としてブレイクした人気者のやす子さんがいるのでしょう。
現在25歳という若さで過酷な人生を耐え抜いてきたやす子さんは、これからも力強く進んでいけるのではないでしょうか。
これからも、やす子さんを応援し続けたいと思います。