ラグビーワールドカップ2023 フランス大会が9月に開催されます。
ラグビー日本代表のキャプテンといえば、リーチマイケル選手の印象が強いですが、2021年9月に リーチマイケル選手から ピーター・ラブスカフニ選手へ、そして2022年春に 坂手淳史選手にキャプテンが引き継がれました。
ラグビーのキャプテンには、様々な役割があって、他の競技と比べて「キャプテン大変過ぎる!」と思ってしまいます。
そんなラグビーキャプテンの役割についてまとめました。
ラグビー キャプテンとヘッドコーチの役割
ラグビーでは、試合中 ヘッドコーチはスタンドで見ていて直接指揮をとることはありません。
試合中ピッチの中で 選手に指示を出すのは キャプテンの役割です。
試合中においては、キャプテンがヘッドコーチの役割を果たしています。
ヘッドコーチの役割
ラグビー日本代表には監督がいなくて、ヘッドコーチ(HC)が現場の指揮をとり、ゼネラルマネージャー(GM)がチーム強化のマネジメントを行います。
トップリーグでは監督を置いているチームもありますが、ほとんどのチームでヘッドコーチが指揮をとっています。
ヘッドコーチは スタンドから無線マイクを使って、グラウンドの近くにいるスタッフに指示を送り、スタッフが指示を選手に伝えることはありますが、直接声をかけることができるのは ハーフタイムのときだけです。
キャプテンの役割
どの競技でも、キャプテンはチームの中でリーダーシップを取り、チームをまとめて引っ張って行ったり、コーチや監督と選手の間でコミュニケーションを取る役割も担います。
さらに、ラグビーでは 試合中はキャプテンが決定権を持ち、コーチの役割もします。
レフリーが注意事項を伝えるときは、キャプテンを呼んで注意をして、キャプテンがチームメイトにレフリーの意向を伝えます。
レフリーとのコミュニケーションは大切で、どういった声掛けをしていくか、どういうタイミングで話していくか、ということが重要だといいます。
国際試合になるとレフリーは外国人なので、英語でコミュニケーションが取れることがベストです。
新キャプテンの坂手淳史選手は「英語のわかるリーチさんと一緒にやっていく」とコメントしていたので、英語はあまり得意ではないようですね。
試合が終わった後の記者会見では、キャプテンはヘッドコーチと並んで座り、会見での受け答えもします。
ピッチの中でも外でも、キャプテンの役割は多岐にわたりますね。
キャプテンズ・ラン
試合前日の最終練習は“キャプテンズ・ラン”といって、ヘッドコーチではなく キャプテンが指揮を取った練習を行います。
実戦を想定して キャプテンを中心に動く練習を行うためです。
ヘッドコーチの仕事は“キャプテンズ・ラン”の前に終了して、次にヘッドコーチが選手に指示を出すのは、翌日の試合のハーフタイムのときだけです。
しかし、実際にピッチでプレーをしているキャプテンが、ピッチ上の隅々に目を配って指示を送るなんてできません。そんなことしていたら自分自身のプレーもできなくなってしまいます。
そのためか、ラグビーではキャプテンと副キャプテンの他に、スクラム、ラインアウト、アタックディフェンスなどにそれぞれリーダーがいて、その時々の場面で、それぞれのリーダーが臨機応変に意思決定をしていくそうです。
元々は ラグビーにコーチや監督などはいなくて、選手同士がキャプテンを中心に 自分たちで考えて行う競技だったそうで、コーチはチームに雇われた者という背景があったようです。
選手全員が、キャプテンのリーチマイケル選手を先頭にして、肩に手をおいて歩くのがかっこいい!
キャプテンの決断から歴史的勝利
キャプテンの決断がチームに勝利をもたらた試合では、2015年ワールドカップの南アフリカ戦 、「ブライトンの奇跡」と言われる試合が有名です。
試合前のオッズは、南アフリカ 1倍。いくらなんでも1倍とは、誰1人として日本が勝つとは思いもしなかったのでしょう。
キャプテンが下した決断
試合は 29対32と、負けてはいるけど善戦している状態での終了間際、敵陣の手前でペナルティを獲得しました。
選択としては「ペナルティキック」で3点を獲得して引き分けを狙うか、「スクラム」からのトライで5点を獲得して勝利を狙うかのどちらか。
エディー・ジョーンズ ヘッドコーチは、無線マイクでペナルティキックを指示しました。ここは誰がコーチであっても、ペナルティキックを選択すると思われる場面。引き分けであっても十分に評価される試合です。
しかし、キャプテンのリーチマイケル選手は、勝つためにスクラムを選択しました。
より確率の高い引き分けよりも、負ける可能性が高くても勝つことを選択したことに感動した人も多かったでしょう。観客席には泣いているファンもいました。
そして、スクラムから劇的なトライを決めて、誰1人として想像していなかった勝利をあげました。
このときスタジアムの警備員やボランティア、記者も総立ちになったそうです。
この試合は「ブライトンの奇跡」と呼ばれるようになりました。
ブライトンの奇跡とは?映画化もされた「世紀の番狂わせ」はなぜ起きたのか!
スクラムを選択したときには、ヘッドコーチは怒って無線マイクを投げつけて壊したそうですが、試合後はキャプテンの「勇気ある決断」を称賛していました。
日本代表キャプテンの役割まとめ
ラグビーにおけるキャプテンの役割についてまとめました。
- ピッチの中で選手に指示を出すのはキャプテンの役割。
- 試合中 ヘッドコーチはスタンドから無線マイクを使ってスタッフに指示を送ることは可能。
- 試合中 レフリーとコミュニケーションを取るのもキャプテンの役割。
- 試合前日の最終練習は“キャプテンズ・ラン”で試合を想定した練習をする。
- 試合終了後はヘッドコーチの隣に座って一緒に会見を行う。
- ヘッドコーチの指示を無視して、キャプテンが下した決断で歴史的勝利を上げる。
どの競技でもキャプテンの役割は大事ですが、ラグビー日本代表のキャプテンはより重要な役割を担っているんですね。
ラグビーのキャプテンには優れた人材が多いと言われるゆえんなのでしょう。
試合中はキャプテンの行動にも注目していきたいです。
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