ラグビー日本代表チームは、海外で「ブレイブ・ブロッサムズ」と呼ばれています。
日本代表の愛称「ブレイブ・ブロッサムズ」の“ブレイブ”は「勇敢」、“ブロッサムズ”は「花」、この「花」は日本のエンブレムである「桜」を表しているので、「勇敢な桜の戦士たち」という意味です。
名前が長いので日本ではあまり「ブレイブ・ブロッサムズ」と呼ばれていませんね。もっと簡単に「桜の戦士」「桜の勇士」でしょうか。
なぜ、海外で「ブレイブ・ブロッサムズ」と呼ばれるようになったのか、由来やきっかけについてまとめました。
ラグビー日本代表「ブレイブ・ブロッサムズ」の由来
ラグビー日本の代表チームは「ジャパン」という呼び名の先駆けで、1966年から「ジャパン」が定着しています。
現在は、他のスポーツでも監督やヘッドコーチの名前をつけて「○○ジャパン」と呼ばれていますね。
海外では、多くのチームが 胸のエンブレムや その国の動植物、プレイスタイルなどから愛称で呼ばれています。
もとは日本代表は「チェリーブロッサムズ」
ラグビー日本代表が「ブレイブ・ブロッサムズ」と呼ばれるようになったのは海外発信ですが、最初は違う呼び方でした。
日本代表の胸の桜のエンブレムから そのまま「チェリーブロッサムズ(桜たち)」と呼ばれていました。
日本の呼び方でいうと「桜ジャパン」ですね。
強靭でイカつい男たちに、なんだか可愛らしい愛称です。
「ブレイブ・ブロッサムズ」と呼ばれた試合
「チェリーブロッサムズ」から「ブレイブ・ブロッサムズ」と呼び方が変わるきっかけとなったのは、2003年 第5回ワールドカップです。
それまでの日本代表の成績は、ワールドカップ第1回から第4回までで 16戦1勝15敗。
第3回大会ではニュージーランドと対戦して、145失点という 不名誉なW杯最多失点記録を残すラグビー弱小国でした。
2003年 第5回ワールドカップ、第1試合 スコットランド戦。結果は11対32で負けましたが、強豪国であるスコットランドを脅かすほどの健闘を見せました。
その勇敢な戦いぶりから 地元紙が「ブレイブ・ブロッサムズ」と取り上げて称賛したのが始まりです。
「負けたのに称賛されるの?」と思いますが、ラグビーは実力差が露骨に現れるスポーツで、負けても「7点差以内の負け」には勝ち点「1」のボーナスポイントがもらえるほど、「健闘した負け」は評価されます。
結果的には「7点以上の負け」でしたが、「ブレイブ(勇敢)」な戦いは 地元のラグビーファンを盛り上げました。
各国代表チームの愛称
ラグビー各国代表チームの多くが愛称で呼ばれています。
どのチームも、胸のエンブレムや 国を代表する動物や植物 プレイスタイルが由来となっていることが多いですね。
ニュージーランド「オールブラックス」
海外代表チームの中でも、ニュージーランドの「オールブラックス」が最も有名ですね。
単純に「ユニフォームが黒だから」と思ってしまいますが、有力な説は違うようです。
ニュージーランド代表チームがイギリス遠征を行った際、メンバー全員がバックスのようで「オールバックス(All Backs)」というのを、新聞記者が間違えて「オールブラックス(All Blacks)」と表現したという説。
最初は「オールバックス(All Backs)」と呼ばれていたが、ユニフォームが黒いことから、いつの間にか「オールブラックス(All Blacks)」になったという説。
何が事実かは不明ですが、どの説にしても ユニフォームが黒いことで定着したのは間違いないようですね。
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オーストラリア「ワラビーズ」
ワラビーは、オーストラリアに生息する カンガルーの小型動物です。
オーストラリア代表チームは、伝統的なランニングスタイルを得意としていたことから、俊敏なワラビーをイメージして「ワラビーズ」と呼ばれるようになったそうです。
オーストラリアと言えば、なぜカンガルーじゃないの?と思ってしまいますよね。
オーストラリアでは、15人制のラグビーよりも、13人制のラグビーリーグが人気で、この13人制ラグビー代表チームが先に「カンガルーズ」と呼ばれていたため、15人制ラグビー代表が「ワラビーズ」となったそうです。
南アフリカ「スプリングボクス」
南アフリカに生息する、ガゼルに似た動物「スプリングボック」が由来となっています。
胸のエンブレムが「スプリングボック」をモチーフにしていることから この愛称になったと思われています。
他の説では、海外メディアから勝手に愛称を付けられるのを危惧して、南アフリカ側から「スプリングボクス」と発信し、その後に「スプリングボック」のエンブレムを作成したという説もあります。
フィジー代表「フライング・フィジアンズ」
フィジーは、変幻自在のパスワークとランニングのプレイスタイルから「空飛ぶフィジー人(フライング・フィジアンズ)」と呼ばれるようになりました。
いくら軽快に動いて 高くジャッンプしても、別に空を飛んでるようには見えないですけど、海外のメディアは上手に愛称を付けますね。
アルゼンチン代表「ロス・プーマス」
アルゼンチン代表のエンブレムは、アルゼンチン原産の「ジャガー」の一種がモチーフとなっています。
1960年代に、記者が「ジャガー」を「プーマ」と間違えて報道したのがそのまま広がって定着したと言われています。
その他 代表チームの愛称
他に愛称で呼ばれている代表チームは
イングランド「レッドローズ」
エンブレムが「赤いバラ」であることから。
ウェールズ「レッドドラゴンズ」
ウェールズの国旗に「赤い竜」が描かれていて、ユニフォームも赤いことから。
カナダ「メイプルリーフス」
カナダの国旗「カエデの葉」が由来。
フランス「レ・ブルー」
フランスのユニフォームの色が「青色」であることから。
イタリア「アッズーリ」
ユニフォームが「青色」であることから。イタリア語で「青」の意味。
サモア「マヌ・サモア」
「サモアの獣たち」の意味。サモアの試合前の伝統的な舞踊「シヴァタウ」の歌詞が由来。
ウルグアイ「ロス・テロス」
国鳥の「ナンベイタゲリ」の意味。ナンベイタゲリのように「警戒心が強く勇敢な攻撃をする」ことから。
どの国も、エンブレムや国を代表する動物、植物、プレイスタイルが愛称の由来となっていますね。
ブレイブ・ブロッサムズの由来まとめ
ラグビー日本代表が「ブレイブ・ブロッサムズ」と呼ばれるようになった理由、各国代表チームの愛称についてまとめました。
- ラグビー日本代表チームは、他のスポーツに先駆けて「ジャパン」と呼ばれていた。
- 海外では、胸のエンブレムから「チェリーブロッサムズ」と呼ばれた。
- 第5回W杯、スコットランド戦での試合が「ブレイブ(勇敢)」と評価されて、海外メディアが「ブレイブ・ブロッサムズ」と報道
- 各国の代表チームは、エンブレムや国を代表する動物、植物、プレイスタイルが愛称の由来となっている。
海外メディアが「勇敢な戦い」と取り上げてくれるのは嬉しいですよね。
「ブレイブ・ブロッサムズ」の由来となった試合は負けましたが、その後のワールドカップでは、南アフリカに勝利したり、前回大会では、強豪国のアイルランド、スコットランドにも勝利して、「ブレイブ・ブロッサムズ」がしっかりと定着しています。
今年9月に開催されるワールドカップが楽しみですね。
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