ラグビーワールドカップ2023 フランス大会が9月に開催されます。
ラグビーの日本代表には外国人選手が多く登録されていますが、他のスポーツの日本代表と比べて、ダントツで外国人選手が多いのはなぜでしょうか。
気になったのでラグビーの日本代表選手の資格について調べました。
日本代表のキャプテンとして活躍しささいたリーチマイケル選手や、ピーター・ラブスカフニ選手の場合はどうでしょうか。
ラグビー日本代表資格の条件
ラグビーでは、国の代表資格を得て出場するのに、国籍は問われません。
代表資格は、以下の4条件です。
- 当該国(日本)で出生している。
- 両親、祖父母の1人が当該国(日本)で出生している。
- プレーする時点の直前の60ヶ月(5年)、継続して当該国(日本)に居住している。
- プレーする時点までに、累積で10年間、当該国(日本)に居住している。
2021年12月31日までは、継続居住期間は「60ヶ月間(5年)」ではなく、「36ヶ月間(3年)」で代表資格を得ることができました。
他国での代表経験がないことが前提
5年以上日本に住んでいると、日本国籍ではなく、親や祖父母が日本にゆかりがなくても、日本代表資格を得ることができます。
ただ“他国での代表経験がない”ということが前提です。ということは、日本代表選手になると、今後 母国での代表になることはできないということになります。
しかし、日本代表ヘッドコーチのジェイミー・ジョセフ氏は、1995年 第3回大会で母国ニュージーランド代表として出場し、1999年 第4回大会では日本代表の選手として出場しています。
代表国の変更も可能
2022年1月1日から、新たな規定により、一定の条件を満たせば選手は1度だけ代表する国・地域を変更できるようになりました。
- 代表チームで国際試合に出場してから36か月間以上経過していること。
- 選手が代表資格変更を希望する国で生まれている、または親や祖父母の誰かがその国で生まれている。
- 選手は一度だけ変更することができるが、品位を維持するために、それぞれのケースはワールドラグビーのレギュレーションコミッティーの承認が必要。
これによって、ニュージーランド、オーストラリア、南アフリカなど、強豪国の代表選手が 別の国の代表になることもできて、強化される国が増える可能性もあります。
ただ ジェイミー・ジョセフ氏の場合は、36ヶ月以上は経過していますが、この規定が作られる以前のことなので当てはまりません。
どういった例になるのか わかったら追記していきます。
ラグビー代表資格の背景
ラグビーの発祥国はイギリスです。
かつて、世界各国にイギリスの植民地があったことから、移住したイギリス人によってラグビーが伝わり、さらに世界中へと広がりました。
イギリスの自治領だった、ニュージーランド、南アフリカ、オーストラリアのラグビー強豪国も、当時の中心選手は 移住したイギリス人しでた。
そのため 国籍で代表選手を決めると、中心選手が出られなくなり、国際試合での力が差が大きくなり過ぎてしまいます。
そこで その国でプレーしているイギリス人選手が、国籍に関係なく代表になれるように、ルールが決まったと言われています。
イギリス人に都合良すぎない?とも言えますが、ラグビーでは 国籍・人種・民族を差別せず、同じ国でラグビーをしている仲間の代表という意味合いが大きいようです。
そのおかげで国の力の差が縮まって国際試合も面白くなったし、日本代表チームも世界で活躍できるようになったといえますね。
世界的に外国人選手が多い
2022年11月の日本代表欧州遠征メンバー40名の内、外国人選手は11人と、多く登録されています。
日本人は見た目で外国人が多いと目立つけれども、海外のチームも見た目で分からないだけで、やはり多くの外国人選手が登録されています。
多い国では、サモアは13人、ウェールズ12人、スコットランド11人と、日本以上に多くの外国人選手がいます。
日本のように見た目で外国人だと分からないだけで、ラグビーで外国人選手が多いのは普通のことのようです。
日本で活躍している外国代表選手
日本代表選手の中の外国人選手の場合はどうでしょうか。
リーチマイケルは日本人
日本代表キャプテンとして有名な リーチマイケル選手は、帰化しているので日本人です。
15歳で来日して、札幌山の手高校に留学、2008年に開催されたラグビージュニア世界選手権に、20歳で日本代表として出場しました。
2013年、日本に帰化。それまでの登録名は「マイケル・リーチ」でしたが、帰化してから、「リーチ マイケル」に変わりました。
仮に帰化していなくても、居住期間が長いので 問題なく代表選手です。
▶ リーチマイケルはなぜ日本に?5歳でラグビーを始めて日本でのプレーを決意するまで
ピーター・ラブスカフニの場合
日本代表選手としてワールドカップでも活躍した、ピーター・ラブスカフニ選手。
国籍は南アフリカで、若手有望選手のひとりとして“スプリングボクス”(南アフリカ代表の愛称)に選ばれたこともあります。しかし 試合出場の機会にはめぐまれませんでした。
来日したのは 2015年で、来日4年目の 2019年ワールドカップに日本代表で出場。リーチマイケル選手の代わりに ゲームキャプテンも務めています。
現在は5年以上の居住が必要なので、ルールが変更されていなければ、2019年のワールドカップには出場できなかったことになります。
ラグビー日本代表資格の条件は?外国人選手が多いのはなぜ?まとめ
ラグビーの代表選手になる資格の条件について調べました。
- 本人、親、祖父母の誰か1人が日本で生まれている。
- 5年以上継続して日本に居住している。
- 累積で10年以上日本に居住している。
- “他国での代表経験がない”ということが前提だが、定かではない。
- 他国に移住したイギリス人選手がその国の代表選手になれるようルールが決まった。
- ルールにより国の力の差が縮まった。
- リーチマイケル選手は帰化しているので日本人。
- ピーター・ラブスカフニ選手は4年目で日本代表。
2019年 第9回ワールドカップの後、リーチマイケル選手はケガの影響で思うようなプレーができず、引退も考えたそうですが、思いとどまり日本代表として戦うことを決断してくれました。
ジェイミー・ジョセフHCは、リーチマイケル選手の負担を考慮してキャプテンを解任しましたが、9月に行われる第10回ラグビーワールドカップで、日本代表としての活躍が楽しみです。
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